老人ホームに入所して後悔した…家族の本音と後悔しないための考え方

家族

入所してホッとしたけど…本当にこれで良かったのかな?

まーこ

老人ホームに入所させるのは、家族にとって大きな決断ですよね。

「本当に大丈夫かな…」「退所させたらもう入所できないのでは…」と、考え始めると不安は尽きません。特に特養(特別養護老人ホーム)の場合、順番にも関わらず突然入所できることもあるため、家族は迷いや葛藤を抱えながら決断に至ります。

そして、入所してからも考えることは多くあります。
この記事では「老人ホームに入所して後悔した」という家族の声を紹介しながら、後悔しないための考え方や、本人と家族がどう向き合えばよいのかを考えられたらと思います。

結論から言えば、本人がどういう状態になったら施設に入るのか、事前に本人と家族がしっかり話し合っておくことがとても重要です。今回インタビューした東川さん(仮名)のご家族は、「排泄が自分でできなくなったら」という線引きを目安にしていました。

一つの考え方という点で参考にしていただけたら嬉しいです。では解説していきます。

目次

老人ホームに入所して後悔する家族は多い

施設入所してみて、違和感や後悔を感じる方はいらっしゃると思います。

後悔の背景にある家族の本音

入所させて直面するのが、介護職員の忙しさです。
自分の親にはこうしたい、こうして欲しいという想いを抱くのは、家族にとって当たり前のことです。

しかし、職員の対応が忙しそうに見えたり、声掛けが少なかったり、ただ放置されているように感じてしまうことがあります。

どんなに評判が良いと言われる施設でも、こうした課題は多かれ少なかれ存在しており、家族が衝撃を受けてしまう場面はあります。
こうした気持ちは、多くの家族に共通する“本音”でもあります。

家族

本当に施設に入所させて良かったのかな…

「もっと家で頑張れたのでは」という罪悪感

施設に入所すると、家族には自分の時間が戻ってきます。

最初の1ヶ月は、週に数回の面会だけでよくなり、少し気持ちが楽になるはずです。
本人の介護から離れることで体力的にも余裕が生まれ、「これで良かったのかもしれない」と感じる瞬間もあります。

だけど、その安堵の裏側で家に帰りたいと本人が訴えることで「もっと家で頑張れたのではないか」という罪悪感が顔を出します。
介護の手から離れたことで生まれる自由と、親を施設に託したことへの罪悪感。
この相反する気持ちに揺れるのは、多くの家族に共通する本音です。

東川さん(仮名)の体験談

ここでは、実際に老人ホームへ入所した東川さん(仮名)のケースを紹介します。

入所を決意するまでにはさまざまな背景があり、そして入所後も葛藤や不安が続きました。

体験談を通して、「後悔の理由」や「家族が直面する現実」を見ていきましょう。

圧迫骨折を繰り返し、自宅介護の限界を感じた

東川さんは一人暮らし。骨粗鬆症を患っていました。転ばないけど普段の生活で骨折してしまい入院というサイクルがほとんどで、家族は施設入所を強く意識したとのこと。

また自宅での最後の圧迫骨折した時に5時間以上動けずに廊下で一人で過ごしていたかと思うと東川さんの家族は辛いだろうなと思うことも増えていった。

ショートステイを利用しながら老人保健施設(老健)入所へ

施設入所に慣れてもらうため、東川さんの家族は様々な施設のショートステイを利用しました。探した施設はリハビリがある「老人保健施設」をメインにしました。

そのような前提があったため目当ての施設の目星はついていました。

東川さんは圧迫骨折を繰り返し、病院へ入院。

家族はこのような連鎖を断ち切りたいと強く願ったため、リハビリがある施設への入所となりました。

入所後に感じた葛藤と心の負担

東川さん家族は、介護職員が忙しそうで、自室にいてもフロアにいても見守りや声掛けが本当にあるのか疑問が募っていきました。

「お母さんをお願い。」「お母さんをよろしく。」と職員に声をかけたり、これはどうなっているかとただ聞くだけでもモンスター家族と思われていないか不安になると言っていました。本当にこれで良いのか、本当に今お母さんは納得しているのかを考えると施設入所を選んで良かったのかと家族は葛藤の日々だったと言っています。

ある日、施設で転倒して骨折。入院後は元の老健の空きがなく有料老人ホームに入所することとなりました。

後悔しないために必要な考え方

施設に入所したあとにギャップを感じることは誰にでもあります。
そのときには、一度自宅に戻る勇気も必要です。
ただし、経済的な理由や家族の仕事・生活もあるため、必ずしも自宅に戻すことが最善とは限りません。

在宅介護を選ぶなら“覚悟”が必要

自宅に帰るということは、並大抵のことではありません。
在宅介護を続けるには、訪問介護や通所介護などの介護保険サービスを再び利用する必要があります。
しかし、介護保険だけでは限界があるからこそ施設を選んだはずです。

もし金銭的な余裕があれば、完全自費の訪問介護サービスを併用することも検討してください。


また、入所はせずにショートステイなどの短期利用を組み合わせながら過ごす方法もあります。
いずれにしても、在宅を選ぶなら強い覚悟が不可欠です。

施設に入所する“線引き”を決める

東川さん家族は「本人に選んでもらうことが大切だ」と話していました。
例えば「排泄が一人でできなくなったら施設に入所する」といった基準をあらかじめ決めておくのです。

このような線引きは、本人にとっても生活の目標になりますし、家族にとっても後悔を減らす判断材料になります。
入所の基準をしっかりと話し合い、共通認識を持つことが、後悔を最小限に抑える唯一の方法です。

まとめ

老人ホームに入所させることは、家族にとって大きな決断です。
どんなに評判の良い施設であっても、家族が「これで良かったのか」と後悔や葛藤を抱えてしまいます。

しかし、後悔を完全になくすことはできなくても、事前に本人と家族でしっかり話し合い、入所の“線引き”を決めておくことで迷いを減らすことはできます。
「排泄が一人でできなくなったら」「夜間の介助が必要になったら」など、基準を共有しておくことは、家族の心を支える大きな指針になります。

また、在宅を続けるにしても施設にお願いするにしても、家族の負担はゼロにはならないのが現実です。
だからこそ、「どこまでを自分たちで担い、どこからを施設に任せるのか」という線引きを家族で考え、納得して選ぶことが、後悔を最小限に抑える唯一の方法です。

老人ホーム入所に迷うすべての家族にとって、この記事が考えるきっかけになれば幸いです。

この記事を書いた人

介護職として9年、介護支援専門員(ケアマネジャー)として5年、現在は認定調査員や介護保険の事務員をしております。
ご本人様やご家族様との老後の貴重な時間を寄り添いたいと思い、ブログを始めました!
皆さんの老後への不安や困っていることなど、コメントなどでお聞かせください!
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よろしくお願いします。

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